当直と宿直

当直と宿直

当直とは法律的に夜間帯に勤務する宿直のことをいい、労働基準監督署に特別に届け出た上で許可される勤務体制です。一般的には交代勤務性やシフト体制を導入し、24時間継続的なサービス提供や運営が必要とされる病院・工場・店舗・消防・鉄道などで勤務に当たり、賃金体系や労働時間などの条件に関しては労働基準法によって規定されています。当直・宿直は基本的には夜間時に待機・緊急時のサポート要員として勤務することが主な目的であるため、当直勤務に当たる者の本分は監視などの軽度の仕事のみで、場合によっては仮眠をとることもあります。

日本の医療法制では入院設備施設を持つ病院では、夜間・祝休日を問わず必ず医師が宿直をしなければならない規定(医療法第16条)があります。病院という特性上、24時間体制で患者さんの病態を管理することが求められ、時間を問わず病気の急変や病状の変化に対応していかなければなりません。患者さんの生理的なケアや細かな対応は看護師が交代性勤務で対応しますが、医療的な診断や医療行為そのものは医師または医師の指示に基づき看護師が行うため、医師の存在が絶対不可欠なのです。そのため、病院や診療所の診療時間外(休日や夜間)にも医師が宿直に当たり病院機能を運営しています。

当直の業務は本来「待機・緊急時のサポート要員」であるため、原則として当直明けの翌日は通常の日勤勤務になります。医師の場合、その多くは日勤勤務の医師が夜まで残って当直を行い、原則に則って次の日の日勤勤務まで継続的に勤務しています。医師の当直勤務が待機番で仮眠や休息をとるインターバルがあるのであれば、まだこの長時間勤務を全うする気力や集中力をうかがうことができます。他の宿直がある職業の人たちはこうした勤務シフトで業務に従事しています。しかしながら医師の場合、実務上、当直の本分である待機・仮眠の時間などはないに等しく、当直と言っても不眠不休で患者さんの対応や業務に従事し、その状態で翌日の日勤勤務をこなすケースが少なくありません。

 こうした医師の実質的な労働状態を受けて厚生労働省労働基準局は2002年に「医療機関における休日および夜間勤務の適正化」という通達を出しています。その中では宿日直勤務は電話対応、巡視、非常事態の連絡とする、宿日直業務として病室の定時巡回や少数の要注意患者の検脈・検温などを許可する、十分な睡眠時間の確保、宿直勤務は週1回などがありますが、夜間に医師が一睡もできずに勤務するケースは少なくなく、医師の過重労働・過労死、医療事故の一因ともなっています。

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